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ソース:https://echa.europa.eu/animal-testing-under-reach
ECHA(European Chemicals Agency:EU化学庁)の公開ウエブサイトから
化学物質は癌を引き起こす可能性があり、免疫系、呼吸器系、内分泌系、生殖器系、または心臓血管系に影響を及ぼすことがある。さらに、人間の回復力やワクチンに対する反応力を弱め、病気に対する脆弱性を高める可能性もある。
欧州議会と欧州理事会は、そのような被害から人々や環境を守り、代替試験法を推進するために、化学物質に関する法律を採択した。
このことは、企業が代替法または最終手段としての動物実験を用いて、化学物質の安全性をテストしなければならないことを意味する。動物実験は、安全情報を収集するための代替法が存在しない場合にのみ許可される。
この法律は、企業に対して、可能な限り代替法を使用することを義務付けている。そのため企業は、他に試験法がない場合の最終手段として認められる場合以外、動物実験を行うことはできない。
現在、動物実験に直接取って代わるものとして認められている代替法は、眼刺激、皮膚感作、生体内蓄積試験など、急性および短期の影響を調べるものしか存在しない。しかし、臓器の損傷、免疫系の弱体化、アレルギーや喘息の発症、生殖障害、先天性欠損症などの長期的な影響を評価するために動物実験が必要となることは多い。
ただし、国際的に認められた代替法が存在しない分野であっても、データを共有したり、類似の化学物質について得られているデータから影響を予測することにより、不必要な試験を回避することができる。
ECHA(European Chemicals Agency:EU化学庁)は、こうした分野全てに積極的に取り組んでおり、欧州委員会や加盟各国と緊密に協力して、試験が必要か否かを決定している。
ECHA:不必要な動物実験の回避
ECHAは必要のない動物実験の回避に向けて、代替試験法を推進している。他に選択肢がない場合のみ最後の手段として動物実験を行うよう、積極的に規制関連の助言を行い、IUCLIDやQSARToolboxといった化学物質データに関する世界規模のプラットフォームに力を注いでいる。
ECHAの取り組み:
●企業からの動物実験の提案を批判的な視点で検討し、利害関係者を関与させた上で、代替案が検討済みであること、及び、当該試験が有効であることの確認や判断を行う
●試験の重複を防ぐため、企業間のデータ共有をサポートし、企業が試験データの共有に合意できない場合には意思決定を行う
●動物実験の代替として使用可能な化学物質データのコンピューターモデリングツールや手法を開発、促進し、資金を供給する
●データやベストプラクティスを交換し、動物実験の代替法の開発と受け入れを促進するため、研究に貢献し、世界各地の関連当局と協力する
●動物実験の代替法を開発する際に研究者が使用できるよう、化学物質の特性に関する情報をECHAのウェブサイトで共有する
●現在または今後利用可能になる予定の動物実験代替法について企業に助言し、その進捗状況を公表する
動物実験の数を必要最小限に抑えるという任務の遂行に向けたECHAのアプローチは以下の通り:
■データ共有
■代替法および手段
■既存データの収集
■試験の提案
本内容はここまで