ご注意
本概要および翻訳については下記ソースをもとにビジネスサイエンス&テクノロジー(株)が作成したものであり、ご参考用になります。その旨、ご了解くださいますよう御願い致します。また本コンテンツの流用・転載は堅く禁止致します。

ソース: https://www.ema.europa.eu/en/medicines/veterinary/referrals/veterinary-medicinal-products-containing-n-methyl-pyrrolidone-excipient

動物用医薬品の賦形剤N-メチルピロリドンへの暴露によるリスクを低減するあらたな対策

2022年12月8日、EMA の動物用医薬品委員会(CVMP:Committee for Veterinary Medicinal Products)は、N-メチルピロリドン(NMP)を含む動物用医薬品を取り扱う可能性のある女性およびこれらの医薬品を投与される動物に対して、NMPへの暴露によるリスクを低減する新たな対策を勧告しました。勧告は、多くの欧州連合(EU)加盟国で販売されている同成分を含む動物用医薬品の製品情報の不一致に対処したものである。

NMPは、一部の動物用医薬品に使用される賦形剤(活性物質以外の医薬品の成分)であり、実験動物では催奇形物質(妊娠中に暴露すると先天異常を引き起こす可能性がある物質)に分類される。したがって、NMPは、妊娠中にNMPを含む医薬品を取り扱うあるいは接触する女性の子供や、これらの医薬品を投与された動物の子孫に先天異常を引き起こす可能性がある。

CVMPは、ユーザーへの曝露が特定の閾値を超えるNMP量である動物用医薬品を、妊娠中の女性または妊娠している可能性のある女性が、動物に投与してはならないことを勧告している。そのうえ、子供を産むことができる女性は、これらの医薬品を使用する際に注意を払う必要がある。特にポアオンおよびスポットオン製品、シャンプー、スプレー、経口溶液用濃縮液の場合は、手袋などの個人用保護具の着用が必要である。

さらに委員会は、NMPを含む動物用医薬品の対象動物種の妊娠中、授乳中、産卵中の安全な使用を実証する研究がない場合は、担当の獣医師によるベネフィットとリスクの評価後に、妊娠中、授乳中、産卵中あるいは繁殖を目的とする動物にのみ投与されるべきであると勧告した。獣医師の意思決定を支援するためには、製品情報にこれらの動物用医薬品に含まれるNMPの正確な量を明記する必要がある。

今回の勧告は、CVMPが入手可能なすべてのデータを検討し、NMP含有の動物用医薬品のユーザーリスク評価に基づき、製剤形毎のユーザーへのリスクを評価したものである。これらの動物用医薬品の製品情報は、新たな推奨事項と警告で更新されている。

CVMPの勧告は欧州委員会に送られ、2023年3月28日、同委員会はすべてのEU加盟国に適用される最終的な法的拘束力のある決定を発行した。

本概要はここまで■