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ソース:file:///F:/Back%20up/Regulatory%202016/prime-analysis-first-5-years-experience_en%20090322.pdf
*2022年発行

1.エグゼクティブサマリー

本文書では、EMAのPRIority MEdicines(PRIME)スキームについて運用開始5年間で得られた知見を報告する。

PRIMEは、患者のアンメットニーズに応える医薬品に迅速且つ強力な科学的および規制上のサポートを提供するため、2016年3月に設けられた。

このスキームでは、開発中の有望な医薬品に対して、EMAからの科学的アドバイスや規制上のサポートを効果的に受けるための専用のサポートハブを提供する。これにより、生活の質を改善するための治療法を一日も早く患者に届けることを目指している。

PRIME医薬品には、CAR-T細胞治療の認可第1号、1回の治療で治癒が見込める遺伝子治療、希少癌治療法、エボラウイルスワクチン等、各疾患領域における革新的技術が含まれる。

本レポートは、PRIME開始から2年間の概要報告に続くもので、2016年3月から2021年6月までのPRIME適格性リクエスト(PRIME eligibility request)と販売承認を分析し、同期間に申請されたPRIME外医薬品の状況と比較する。

分析の結果、PRIMEスキームでは販売承認までの時間が短縮され、承認審査にプラスの効果が示された。この効果は、複雑な製品やデータセットの小さい製品(先端医療医薬品、希少疾患)の申請において、より顕著であった。

分析により得られた知見

● PRIMEで販売承認を得た医薬品は、同等のPRIME外医薬品に比べてクロックストップタイム(審査中申請者がEMAからの質問に回答するために要する時間)が短い(特に中小企業において顕著)。

● PRIMEで販売承認を得た7つの先端医療医薬品の平均審査時間とクロックストップタイムは、その複雑さにも関わらず、2020年の全新規有効成分の平均審査時間よりも短い。

● 同等のPRIME外製品と比較して、PRIME製品には迅速審査(accelerated assessment)が適用され、これを維持する可能性が高い。

● 科学的アドバイスへの対応と迅速審査(accelerated assessment)の維持、および販売承認獲得の間には相関関係があり、これまでの調査の結果を裏付けている。

分析の結果、PRIMEスキームの改善点や強化ポイント、特に効果不十分として除外すべき活動が特定され、有望な製品の開発サポートを最適化するには、適切な規制監督の下で、エントリー基準とタイミングの調整が有効であることがわかった。

本レポートの推奨事項は、主に以下の3点である。
● PRIME適格性リクエストの範囲とタイミング
● PRIMEにおける柔軟な科学的アドバイス提供についての検討
● 迅速審査(accelerated assessment)を後押しするための知見の蓄積

本概要はここまで■