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ソース:https://www.fda.gov/food/egg-guidance-regulation-and-other-information/questions-and-answers-regarding-safety-eggs-during-highly-pathogenic-avian-influenza-outbreaks、米国食品医薬品局(FDA:U.S. Food and Drug Administration)
2024年4月8日時点において
HPAIとは何ですか、なぜそれが問題なのですか?
高病原性鳥インフルエンザ(HPAI:Highly Pathogenic Avian Influenza)は、高病原性鳥インフルエンザA(H5)およびA(H7)ウイルスによって引き起こされる、家禽にとって非常に感染力が高くしばしば致命的な病気です。家禽あるいは鳥インフルエンザとしても知られています。HPAIウイルスは、野鳥によって家禽や他の鳥類や動物種に感染する可能性があります。鳥インフルエンザウイルスは通常ヒトに感染しませんが時々ヒトに感染しています。「高病原性」とは、鳥類への深刻な影響を指し、必ずしも人間への影響ではないことに注意することが重要です。
2024年4月、米国農務省動植物衛生検査局(the U.S. Department of Agriculture Animal and Plant Health Inspection Service :USDA-APHIS)は、ミシガン州とテキサス州の市販の食用産卵鶏群からHPAIが検出されることを確認しました。
小売市場の卵は安全に食べられますか?
はい。感染した家禽の卵が小売市場で発見される可能性は低く、適切な保管と準備によりリスクがさらに減少します。2010年、米国食品医薬品局(FDA:U.S. Food and Drug Administration)は、家禽、殻付き卵、および卵製品におけるHPAIのヒトの健康への影響を調べるために、米国農務省食品安全検査局(FSIS:Food Safety and Inspection Service)との共同リスク評価に参加しました。リスク評価の結果、汚染された殻付き卵の摂取によりヒトがHPAIに感染するリスクは低いと判断されました。例えば、米国でHPAIの症例が検出された場合、家禽の症状が急速に現れるだけでなく、群れの検査や連邦査察プログラムなどの保護措置が実施されているため、感染した家禽や卵が食物連鎖に侵入する可能性は低くなります。
さらに、食品が適切に準備および保管されている場合、消費者がHPAIに感染するリスクはさらに減少します。HPAIと人間の健康の詳細については、米国疾病予防管理センター(CDC)のWebサイト(https://www.cdc.gov/flu/avianflu/index.htm)をご覧ください。
食事の準備を変更する必要がありますか?
適切に調理された食品を通じてウイルスが人間に感染する可能性があるという証拠はありません。安全な食品の取り扱いと調理は常に重要です。家禽、卵、その他の動物性食品を適切な温度で調理し、生の食品と調理済みの食品との交差汚染を防ぐことが食品安全上のハザードを防ぐための鍵となります。本目的のために、米国食品医薬品局のフードコード(食品規定)は小売店への「食品の適切な準備に関するガイドライン」を提供しています。さらに米国食品医薬品局は、消費者と小売食品事業所の両者に向けた「食品の適切な準備」に関するいくつかのファクトシート、パンフレット、チラシ、およびビデオを公開しています。適切な卵の取り扱いと調理の詳細については「卵の安全性について知っておくべきこと(https://www.fda.gov/food/buy-store-serve-safe-food/what-you-need-know-about-egg-safety)」をご覧ください。
卵の安全性を確保する責任があるのはどの連邦機関ですか?
米国食品医薬品局と米国農務省食品安全検査局は、卵の安全性に関する規制を共有しています。さらに、米国農務省動植物衛生検査局は、家禽の繁殖資源と孵化場をサルモネラ・エンテリティディス(SE:Salmonella Enteritidis)フリーとして認定する管理プログラムを実施し、米国農務省の農業販売促進局(AMS:Agricultural Marketing Service)は制限された殻付き卵(つまり、食卓用卵として販売できない卵)の適切な処分を確実にするための監視プログラムを実施しています。
連邦食品医薬品化粧品法(FFDCA:Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)に基づき米国食品医薬品局は、殻付き卵を含む不純で安全でない、不正なラベルの付いた食品から消費者を保護しています。米国食品医薬品局は、殻付き卵の適切な生産、輸送、保管を管理する規制を設けています。
米国農務省は、卵製品査察法(EPIA:Egg Products Inspection Act)の実施に主要な責任を負っています。食品安全検査局は、卵製品査察法の下で粗悪品または不正商標表示の液体、冷凍、乾燥卵製品の流通を防ぐために加工卵製品の査察に主要な責任を負っています。
米国食品医薬品局は、卵査察期間中の農場訪問でHPAIの蔓延を防ぐための措置を講じていますか?
2014年から2015年にかけての鳥インフルエンザの発生後、米国食品医薬品局は卵農場の査察中にHPAIが広がるのを防ぐために、農場訪問のバイオセキュリティプロトコールを更新しました。養鶏場の査察を開始する前に米国食品医薬品局は次のことを行います。
● HPAIリスクベースの分類システムを使用して、卵農場の査察順序を決定します。
● 査察を開始する前に州の獣医師/州の動物衛生担当官に連絡して、検疫やその他の理由の調査員が特定の農場を訪れないことを確認します。
● 米国農務省のHPAI報告Webサイトで意図する査察に近い場所の検出についての最新情報のチェックを行います。
● 査察と査察の間に義務付けられている待機期間に準じ、複数の査察チームを使用します。
● すべての査察の前後、および複数日の査察の日毎の業務後、査察で使用する車両を徹底的に洗浄します。これに続いて、フロアマット、ホイールウェル、および車両の足回りを適切な消毒剤を用いて衛生の管理を行います。
このようなアウトブレイクが発生した場合、米国食品医薬品局は農場内の成因が含まれる可能性のある他の査察プログラムを評価し、それらのプログラムの調整を検討します。ただし、適切なバイオセキュリティ慣行に従いながら、必要に応じて緊急事態やその他のイベントに対応する能力を保持します。
バイオセキュリティ計画を実施している農家はHPAIを懸念する必要がありますか?
21 CFR 118.4(b)のバイオセキュリティ要件に継続的に準じている農家は、農場の鳥のHPAI感染の潜在的なリスクを減らすことができます。この規制のバイオセキュリティ要件は、サルモネラ菌の農場への導入または移行を防ぐことを目的としており、HPAIが農場を汚染するリスクを減らすのにも役立ちます。野鳥や渡り鳥はHPAIの運び屋となる可能性があるため、野鳥、ネコ、野良家禽、その他の動物が家禽屋に侵入するのを防ぐという要件もHPAIから保護するのに役立ちます。
農家がHPAIから農場をより保護するために実施できる追加のバイオセキュリティ対策はありますか?
米国農務省動植物衛生検査局は、農業の害虫や病気からアメリカの動植物資源を守るために活動しています。動植物衛生検査局は、家禽のためのバイオセキュリティ対策を開発し、ウェブサイト「Defend the Flock – Biosecurity 101(https://www.aphis.usda.gov/livestock-poultry-disease/avian/defend-the-flock)」で公開しています。
鳥インフルエンザの詳細については、こちらをご覧ください。
<さらなる参考情報>
ヒトの鳥インフルエンザ感染(https://www.cdc.gov/flu/avianflu/avian-in-humans.htm)
ヒトの過去の鳥インフルエンザ流行(https://www.cdc.gov/flu/avianflu/past-outbreaks.htm)
インフルエンザに関する情報(http://www.who.int/mediacentre/factsheets/avian_influenza/en/)
卵で安全策を講じる(https://www.fda.gov/food/buy-store-serve-safe-food/what-you-need-know-about-egg-safety)
家禽、殻付き卵、卵製品におけるHPAIの影響
(https://www.fsis.usda.gov/news-events/publications/interagency-risk-assessment-public-health-impact-highly-pathogenic-avian)
概要はここまで■