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ソース:https://echa.europa.eu/-/proposal-to-ban-forever-chemicals-in-firefighting-foams-throughout-the-eu
ECHA / NR / 22/05

欧州化学物質庁(European Chemicals Agency ECHA)は、地下水や土壌の汚染、及び人や環境へのリスクを防止するため、泡消火剤に含まれる全てのパーフルオロアルキル物質及びポリフルオロアルキル物質(PFASs)の使用をEU全域で制限する提案を提出する。

2022年2月23日 ヘルシンキ

PFASを含む泡消火剤は、EU内で数々の環境汚染(土壌や飲料水)を引き起こしている。PFAS及びその分解生成物はいずれも難分解性で、一部は人間の健康または環境に害を及ぼす。従って、これらの物質の放出を最小限に抑え、将来に渡る不可逆的なリスクを減らすことが重要である。

ECHAは、欧州委員会(European Commission)の要請を受けて泡消火剤に含まれるPFASの環境・健康リスクを調査し、その結果、EU全域での制限が妥当であると結論付けた。

ECHAの提案では、用途または分野ごとに移行期間を設けた上で、PFASを含む全ての泡消火剤の販売、使用、輸出を禁止する。移行期間は、業界が防火性を損なうことなくPFAS含有泡消火剤の代替を進める為の期間であり、この間にPFAS含有泡消火剤を使用するものは、環境への放出を最小限に抑えた上で適切に廃棄することが求められる。

本提案が採用された場合、環境へのPFAS排出量は30年間で13,000トン以上削減され、その間の社会へのコストは約70億ユーロと試算される。コストには、PFASを含まない泡消火剤を使用するための機器の変更、PFAS含有泡消火剤の残留物を除去するための機器の洗浄、PFASと代替泡消火剤との価格差などが含まれる。

提案は、策定時点の知見に基づくもので、新たな情報が得られた場合は順次アップデートされる。2022年3月23日より、エビデンスに基づくコメントを広く募集するための6か月間のコンサルテーション期間が設けられる。ECHAはまた、利害関係者に対してこの制限措置を説明し、コンサルテーションへの参加を促すため、4月5日にオンライン説明会を開催する。

さらに、オランダ、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの5ヶ国が、泡消火剤以外の全てのPFASを対象とする制限案を検討しており、2023年1月にECHAに提出予定である。泡消火剤のPFAS制限案に導入されたリスク評価は全てのPFASにあてはまるもので、より広範囲にPFASを制限するためのリスク評価につながる。

次のステップ
ECHAのリスク評価委員会(Committee for Risk Assessment)および社会経済分析委員会(Committee for Socio-Economic Analysis)が、提案された制限措置を評価する。その際、コンサルテーション期間中に寄せられた科学的エビデンスを検討する。2023年には2つの委員会の意見をまとめ、27のEU加盟国と共に欧州委員会が、制限措置とその諸条件を決定する。

バックグラウンド
持続可能性に関するEUの化学物質戦略はPFASポリシーに主眼を置いており、欧州委員会は、代替のきかない分野を除き、全てのPFASを段階的に廃止することにしている。泡消火剤に含まれるPFASを制限する本提案は、PFASの使用制限を進めるための1つの手段として当該化学物質戦略に盛り込まれている。

本概要はここまで■