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ソース:https://www.ema.europa.eu/en/news/vision-use-real-world-evidence-eu-medicines-regulation

ニュース2021年11月24日

2025年までにヨーロッパでの医薬品の開発、認可、監視に関する規制上の意思決定にリアルワールドエビデンス(real-world evidence RWE)を使用することを可能にし、その価値を確立する―これは、EMAのデータ分析および手法に関するタスクフォースの代表であるPeterArlett、デンマーク医薬品庁データ分析センター所長Jesper Kjær、連邦医薬品医療機器研究所(BfArM)所長Karl Broich、およびEMAエグゼクティブディレクターEmer Cookeの4名が Clinical Pharmacology & Therapeuticsに投稿した論文の中で述べたヨーロッパ規制当局のビジョンである。

著者らは、2025年までのネットワーク戦略に根ざしたこのビジョンを実現することで、患者にとってより優れた医薬品の開発と使用が促進されると述べている。

このビジョンを実現するための鍵となるのがData Analytics and Real World Interrogation Network(DARWIN EU)である。このEU広域のネットワークは、EU全体で医療データへのアクセスおよび分析を可能にし、データーパートナーを教育することや医薬品規制当局や後期ステージにおける他の利害関係者からの要請に基づく試験実施も推進するコーディネーションセンターの設立とともに2022年の早い段階で運用が開始される。

この論文では、患者、医療従事者、業界、規制/公衆衛生当局、医療技術評価機関、支払者、学界などの利害関係者と協力して、信頼性の高いRWEを収集し利用するための方法と基準を確立する計画が説明されている。

著者らによれば、RWEの価値については、ランダム化臨床試験(RCT)との比較において議論を進めることが重要となる。つまり、RWEとRCTは互いに補完的なもので、それぞれに長所と短所があり、個々の規制上の課題に応じて相対的な重要性が変わってくるという考え方である。厳密且つ体系的なアプローチを通して実践から学ぶことにより、どのような意思決定場面においてRWEが最も高い価値を発揮するかを特定することが可能になる。

これに関連してEMAはさらに、2018年~2019年に当局に提出された新製品販売承認申請と適応拡大申請においてRWEがいつどのように使用されたかを調査した論文を寄稿している。レトロスペクティブ分析の結果、新規販売承認申請の40%と市販品の適応拡大申請のうち18%でRWEが使用されていた。この記事では、これらの申請に含まれるRWEの特徴について述べ、さらなる調査が必要な分野を特定している。

いずれの論文も、データに基づく規制上の意思決定への移行を支援し、患者を中心としたより良い医薬品へのアクセスを促進することを目指している。これらの論文はオープンアクセスで公開されている:

・Real‐World Evidence in EU Medicines Regulation: Enabling Use and Establishing Value:EU医薬品規制におけるリアルワールドエビデンス:実用化と価値の確立

・Marketing Authorization Applications Made to the European Medicines Agency in 2018–2019: What was the Contribution of Real‐World Evidence? :2018〜2019年にEMAに提出された販売承認申請:リアルワールドエビデンスがどのような形で貢献したか

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