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ソース:ECDC and EMA highlight considerations for additional and booster doses of COVID-19 vaccines(September 2, 2021時点)
(https://www.ecdc.europa.eu/en/news-events/ecdc-and-ema-considerations-additional-and-booster-doses-covid-19-vaccines)

欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、本機関が発行する技術レポートにもとづき、現時点のエビデンスからはワクチン投与を完了した一般の人々に急いてブースター投与を行う必要はないとする一方、免疫機能が低下している人については追加投与を検討すべきとの考えを示した。

現在EU・EEA域内で承認されているワクチンについては、COVID-19関連の入院、重篤疾患や死亡に対する優れた効果が確認されているが、18歳以上の成人3人に1人がワクチン投与を完了しておらず、現状では、対象者全員の投与完了を優先すべきである。それと同時に物理的な距離、手と呼吸系の衛生、必要となる場所でのマスク使用等、特に、重度のCOVID-19のリスクがある患者の介護施設や病棟などのリスクの高い環境において、一般的な感染対策も継続していかなければならない。

免疫機能が低下している人への追加投与と、正常な人へのブースター投与は分けて考える必要がある。例えば、臓器移植後の患者など、ワクチンに対する初期応答が弱い人でも、追加の投与で改善が見られることが報告されており、このようなケースでは、すぐにでも追加投与を検討すべきであろう。フレイル状態にある高齢者(特に介護施設居住者など)には、予防的に追加投与を行うことも考えられる。

欧州医薬品庁(EMA)は現在、追加投与に関するデータを検証中で、製品情報の更新が適切かどうか検討する。今後さらにブースター投与に関するデータの検討も行う。その間、メンバー各国は準備計画を立てておくことも考えたい。

加盟各国には、ワクチン投与を主導する予防投与諮問機関(NITAG:national immunisation technical advisory group)があり、自国のウイルスの蔓延(特に懸念される変異株)やワクチン供給量、及び医療の対応能力などに基づき、ワクチン投与の方法を適切に判断して保健当局に助言を行う。

ECDCとEMAは、ブースター投与や追加投与に関するデータ収集および評価を目的として協力を継続し、技術レポートに最新情報を提供する。ワクチンの効果に関するデータやブレークスルー感染についても、特にCOVID-19の重症リスクのある弱者集団間、閉鎖環境に住む集団間について注意深く監視を続ける必要がある。メンバー各国は、特定のリスク集団においてワクチン効果の大幅な低下が報告される事態に備えて、投与プログラムを適切に変更することが出来るよう準備を整えておくことが望まれる。

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