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ソース:https://www.ema.europa.eu/en/news/new-eu-rules-safe-high-quality-medicines-animals-become-effective

ニュース2022年1月28日

本日付けで、動物用医薬品規則(Regulation (EU) 2019/6)の適用が開始される。この規則にはイノベーションを促進するための施策と、獣医師、畜産農家、ペットの飼い主にとって安全且つ高品質な動物用医薬品を入手し易くするための施策が含まれ、さらに、細菌の薬剤耐性(AMR)に対するEUの取り組みをサポートするものになっている。

EMAのエグゼクティブ・ダイレクターEmer Cookeは、「今回新しく導入されるツールとシステムにより、全ての利害関係者に対して動物用医薬品情報への幅広いアクセスが保証され、さらに副作用の監視が強化される。重要な点として、抗菌薬の慎重かつ責任ある使用が盛り込まれ、薬剤耐性との闘いに資するものとなっている」と述べた。

新規則のポイント
・AMRの発生を抑えるための様々な手段を講じる一方、動物とヒトにとって必要な治療を確保する「ワンヘルス」アプローチの手法を取る。抗菌薬の予防的使用が例外的な場合に限って許可されるとの見通しと、重要な抗菌薬をヒトの治療専用に確保するために動物への使用を制限または禁止する可能性が盛り込まれている。

・規制関連手続きを簡素化し、製造販売業者や新規動物用医薬品開発業者の事務負担を軽減して開発を促進する。

・EUおよび欧州経済領域(EEA)諸国で認可された全ての動物用医薬品に関する情報がウェブサイトcentral website上で提供される。

・獣医師の処方箋がEU全体で有効となる。処方箋を必要とする動物用医薬品の販売許可を受けたオンライン小売業者を識別するための共通のロゴcommon logoを設け、業者はウェブサイトにロゴを表示した上でEU/EEA各国関連当局のウェブサイトにリンクを設定しなければならない。各国当局は、自国で登録されているオンライン小売業者のリストをウェブサイトに掲載する。

新規則の適用に向けて、EMAは、手続きや、規制および科学的ガイダンスに関する文書を改訂した。さらに、加盟国や利害関係者と協力して、規則の運用に必要なITシステムの開発と実装を行った:
・ユニオンプロダクトデータベース
・ユニオンファーマコビジランスデータベース
・製造・卸売流通データベース

EMAの動物用医薬品部門の責任者であるIvo Claassenは、「欧州委員会、規制当局ネットワークおよび利害関係者各位の協力により、各種規制関連手続きを簡素化するためのITシステムを立ち上げることができた。EMAは今後も、手続きの効率化に向けてシステム開発への投資を継続する」と述べている。

ユニオンプロダクトデータベースUnion Product Databaseは、EU/EEAにおいて認可された全ての動物用医薬品に関する情報を収集し、承認後の手続きの一部を行えるようにするシステムで、加盟国や欧州委員会との協力によりEMAが構築し、今後の維持管理を行う。

動物用医薬品情報ウェブサイトVeterinary Medicines information websiteは、EU/EEAにおいて認可された全ての動物用医薬品の詳細情報を提供する初めてのウェブサイトで、ユニオンプロダクトデータベースへのパブリックアクセスを提供する。このサイトでは、動物医療従事者や関心のあるユーザーが、特定の製品についてEU/EEAのいずれの国で入手可能かといった情報や、治療選択肢に関する情報を得ることができる。また、EU域内で入手可能な動物用医薬品に関する最新情報を一か所に集めて提供することで、単一市場の機能向上を図る。

インフォカード(info-card)集には、各利害関係者(獣医、ペットの飼い主、農家)が動物用医薬品情報ウェブサイトからどのようなメリットを得られるかが示されている。

ユニオンファーマコビジランスデータベース(Union Pharmacovigilance Database)は、EEAで認可された動物用医薬品に関する副作用報告を管理するための改良版EudraVigilance Veterinary(EVVet3)システムとして運用が開始される。EVVet3には、アップグレードされた分析ツールと医薬品安全性監視をサポートする新機能が加わり、承認後の動物用医薬品の安全性を継続的に監視するための重要なツールとなる。

製造・卸売流通データベース(Manufacturing and Wholesale Distribution Database)には、管轄当局による製造認可、卸売流通認可およびGMP証明書の付与、停止、取り消しに関する情報、並びに有効成分の製造業者、輸入業者、および流通業者の登録に関する情報(ヒト用動物用の両領域)が含まれる。今回発表されたシステムは、EudraGMDP(製造許可およびGMP証明書に関するEUデータベース)の拡張・アップグレード版で、動物およびヒト両分野にかかわる変更がなされている。

各データベースの詳細については、動物用医薬品規則Veterinary Medicinal Products Regulationのページを参照されたい。

規則(EU)2019/5 Regulation (EU) 2019/5では、規則(EU)726/2004に定められたEUの医薬品に関する法的枠組みが修正された。動物用医薬品に関する法的枠組みを定めた規則(EU)2019/6 Regulation (EU) 2019/6の規定は、2022年1月28日より適用され、指令2001/82/EC Directive 2001/82/ECに取って代わる。規則(EU)726/2004の最新の統合版はRegulation (EU) 726/2004から入手可能。

*規則の変更を適切に反映するため、2022年1月28日に最終段落を修正

本概要はここまで■