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ソース1:https://www.efsa.europa.eu/en/news/keeping-plant-pests-out-eu
EFSA:European Food Safety Authority、欧州食品安全機関
Published: 23 July 2025
EFSAは、主要な科学的分析の一環として、47種の検疫害虫の評価を完了しました。この作業は、欧州委員会によるEU優先害虫リストの更新を支援するものです。
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「スイートオレンジにカンキツ黒星病菌(Phyllosticta citricarpa)が引き起こす硬斑症状」。提供:アントニオ・ビセント
EFSAは2022年以降、130名の専門家を招き、欧州委員会による最新版の優先害虫リスト(EUの環境と農業に最も深刻な脅威をもたらす検疫害虫)の改訂作業を支援してきました。評価では、生物学的および生態学的データの分析に重点を置き、害虫の拡散経路とEU域内に持ち込まれた場合の影響を推定しました。最も関連性の高い害虫を絞り込んだ後、現在のEU優先害虫20種を含む47種の害虫について調査が行われました。
「この研究は、発生の早期発見とより効率的な管理を可能にすることで、EUの優先害虫の侵入に対する備えを強化することに貢献します」と、EFSA植物防疫監視チームのリーダーであるシブレン・フォスは述べた。「これは、ヨーロッパの生物多様性、農業、林業の保護に向けた重要な一歩です。」
得られた報告書とデータセット(220件を超える拡大率と収量損失の推定値、および150件の環境影響値を含む)は、害虫ランキング専用に設計されたモデルの作成に役立てられ、欧州委員会の共同研究センターに提供されました。このモデルのアウトプットは、2019年に最初に採択されたEUの優先害虫20種リストの改訂にあたって、リスク管理者を支援するものです。
背景
優先害虫とは、EUの植物衛生法で規制されている植物害虫です。これらは、最も深刻な経済的、環境的、および/または社会的損害を引き起こす可能性があります。優先害虫に指定されると、EUレベルでより強力な監視および準備措置が発動されます。これには、義務的な年次調査、緊急時対応計画および駆除計画、シミュレーション訓練、啓発キャンペーンなどが含まれます。
コンタクト先:
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ソース2:https://www.efsa.europa.eu/en/topics/priority-pests
優先害虫
優先害虫は、経済、環境、または社会に最も深刻な影響を及ぼす可能性があるため、EU法で規制されている植物害虫および病原体です。優先害虫はEU検疫害虫の一部であり、EU加盟国全体で強化監視および管理措置の対象となる害虫です。優先害虫に指定されると、各国は厳格な監視、緊急時対応計画、根絶のプロトコール(手順)、シミュレーション訓練、および公的啓発を実施する必要があります。
Last reviewed date: 23 July 2025
EFSAの役割
EFSAは、欧州委員会に対し、優先害虫の特定と評価を支援する科学的・技術的支援を提供しています。EFSAは、害虫の優先順位付けを行う共同研究センター(JRC)を支援するため、害虫と病原体に関する生物学的・生態学的データを提供するとともに、欧州委員会とEU加盟国による優先害虫リストの改訂を支援しています。EFSAの活動は、最も危険な植物衛生上の脅威に対するより効果的な備えと的を絞った行動を可能にします。
EFSAのEU検疫害虫のランク付けへの貢献
方法論的評価フレームワークの開発後、EFSAは以下の作業を実施しました。
1.約400種の害虫および病原体を含む全ての検疫害虫の宿主植物を特定しました(作業Aの報告書を参照)。
2.全ての検疫害虫の拡散可能性と観察された影響に関する広範な文献調査を通じて、候補害虫の絞り込みを支援しました(作業Bの報告書を参照)。
3.専門家の知見の引き出しと革新的なアプローチを用いて、47種の候補害虫がEUの農業および環境に及ぼす脅威を推定しました(下記のEFSA方法論報告書および害虫報告書を参照)。
得られた報告書とデータセット(推定潜伏期、拡大率、収量損失に関する220以上の確率分布、および5つの環境影響指標に関する150の推定値を含む)は、共同研究センターと共有され、優先害虫影響指標(I2P2)害虫ランキングモデルに入力されました。このモデルは、EU優先害虫リストの将来の改訂に活用されます。
主要文書およびデータ
・作業A:宿主植物リストに関する報告書
https://zenodo.org/records/10407910
・作業B:拡散と影響のレビューに関する報告書
https://zenodo.org/records/14055131
・EFSAの優先害虫評価に関する方法論報告書
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-9230 •
・EFSAの植物害虫による生態系サービスへの影響評価方法論
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-9607
・EFSAの害虫報告書およびデータセット(下記参照)
https://www.efsa.europa.eu/en/topics/priority-pests#efsa-pest-reports
EFSA 害虫報告書
EFSA 害虫報告書とデータセットは以下の通りです。
*日本語は補足できる範囲とした。
・Acleris minuta and Acleris semipurpurana アクレリス・ミヌタ、アクレリス・セミパーピュラ ハマキガ科
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9439
・Agrilus anxius アグリルス・アンクシウス ブロンズ白樺穿孔虫
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9433
・Agrilus planipennis アオナガタマムシ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9432
・Anastrepha ludens メキシコミバエ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9324
・Anoplophora chinensis ゴマダラカミキリ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9445
・Anoplophora glabripennis ツヤハダゴマダラカミキリ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9446
・Anthonomus eugenii トウガラシゾウムシ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9443
・Aromia bungii クビアカツヤカミキリ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9444
・Arrhenodes minutus アレノデス・ミヌトゥス 甲虫目;ブレント科
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9275
・Bactericera cockerelli バクテリセラ・コケレリ ジャガイモトガリキジラミ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9236
・Bactrocera dorsalis ミカンコミバエ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9326
・Bactrocera zonata モモミバエ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9403
・Bretziella fagacearum オーク萎凋病
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9402
・Bursaphelenchus xylophilus マツノザイセンチュウ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9323
・Candidatus Liberibacter spp. カンジダタス・リベリバクター属
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9325
・Choristoneura fumiferana and Choristoneura parallela トウヒノシントメハマキ 帯状の鱗翅目蛾
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9440
・Conotrachelus nenuphar スモモゾウムシ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9442
・Dendrolimus sibiricus 樹木食葉害虫 Dendrolimus 属(チョウ目:カレハガ科)
https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9243
・Diabrotica undecimpunctata howardi ジュウイチホシウリハムシ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9391
・Diabrotica virgifera zeae メキシカンコーンルートワーム
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9390
・Grapevine flavescence dorée phytoplasma ブドウ黄化病
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9567
・Helicoverpa zea アメリカタバコガ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9448
・Keiferia lycopersicella トマト蟯虫
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9451
・Listronotus bonariensis リストロノツス・ボナリエンシス (甲虫目,ゾウムシ科)
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9298
・Nepovirus myrtilli (Blueberry leaf mottle virus) ネポウイルスミルティッロ、チェリー葉巻ウイルス
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9235
・Phyllosticta citricarpa (citrus black spot) カンキツ黒星病菌
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9322
・Phymatotrichopsis omnivora フィマトリクム・オムニボルム テキサスルート腐敗
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9452
・Pissodes spp.(Pissodes nemorensis デオダーゾウムシ, P. nitidusマツキボシゾウムシ, P. strobi シロマツゾウムシ, P. terminalisロッジポールパインターミナルゾウムシ, P. yunnanensisピソデス・ユンナンネンシス) ピソデス ゾウムシ属
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9441
・Polygraphus proximus トドマツノキクイムシ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9274
・Popillia japonica マメコガネ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9269
・Porphyrophora tritici ポルフィロフォラ・トリチ コムギ黄斑病
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9438
・Prodiplosis longifila プロディプロシス ロンギフィラ 柑橘類のユスルカ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9437
・Pseudocercospora pini-densiflorae ゴヨウマツ葉枯病
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9401
・Ralstonia pseudosolanacearum ラルストニア・プソイドソラナセアラム) 土壌媒介細菌 青枯病菌
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9246
・Rhagoletis pomonella リンゴミバエ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9400
・Spodoptera frugiperda ツマジロクサヨトウ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9266
・Spodoptera litura ハスモンヨトウ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9424
・Thaumatotibia leucotreta 偽コドリンガ 柑橘類コドリンガ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9339
・Thrips palmi ミナミキイロアザミウマ
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9268
・Xanthomonas citri カンキツかいよう病菌
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9399
・Xylella fastidiosa ピアス病菌
https://doi.org/10.2903/sp.efsa.2025.EN-9244
概要はここまで◆