■開催要項
【日時】2025年11月14日(金) 午後12:30~16:30 (休憩含む)
【会場】北とぴあ 8F 807会議室 〒114-8503 東京都北区王子1-11-1
【開催場所】本講習会は現地開催となります。
【アクセス】https://www.hokutopia.jp/access/
【受講料】 29,700円(税込み) *テキスト付

■講師:水谷 哲也 先生
東京農工大学農学部附属感染症未来疫学研究センターセンター長・教授
ディープテック産業機構ワンヘルス感染制御研究拠点拠点長ワンウェルフェア高等研究所副所長
■講習内容
近年、ウイルスは人類社会において最大級のリスク要因であると同時に、新たな技術革新や市場を生み出す源泉として注目されています。新型コロナウイルスの世界的流行は、感染症が医療・畜産・食品・環境・経済に同時多発的な影響を及ぼすことを明らかにしました。さらに、気候変動や国際物流の加速、野生動物との接触機会の増大は、次なる新興感染症の出現を確実に早めています。これらの背景から、「ウイルスを正しく理解し、リスクを制御しつつ価値に変えていく」という視点が産業界に強く求められています。
本講座では、まずウイルス科学の基礎として、構造や増殖サイクル、突然変異と病原性の関係を整理し、感染がヒト・動物・環境の間でどのように広がるのかを解説します。そのうえで、産業に直結する具体的事例として、ワクチン開発や治療薬研究、下水を利用した感染拡大予測、食品分野でのCodex基準やHACCP対応、畜産現場での検疫制度などを取り上げ、研究と社会実装のつながりを示します。さらに、最新の技術応用として、発酵食のプロテアーゼによる抗ウイルス応用、天然抗ウイルス物質のアップサイクル利用、アプタマーなどを活用した高感度センサー、安全な殺菌技術などを紹介します。これらは、ウイルスを「脅威」としてのみ捉えるのではなく、持続可能な社会や新しい市場を支える科学技術として活用する挑戦の一例です。
本講座を通じて参加者は、感染症リスクを理解する知識を獲得すると同時に、産業や社会の課題を解決するためにウイルス学を応用する視点を養うことができます。研究者、企業関係者、行政担当者など、幅広い方々にとって「攻めのウイルス科学」の可能性を実感していただける内容となっています。
■講習プログラム
第1章 ウイルス科学の基礎と最新動向
― 感染の仕組みから産業リスクまでを理解する ―
1.ウイルスの構造とライフサイクルの基本
コロナ禍で抱いた“ウイルスのなぜ”をここですべて解消する。ウイルスの変異とは?シグナル伝達経路でウイルスの病原性を理解する
2.人・動物・環境における感染経路と感染拡大のメカニズム
新たな脅威は水面下で動いている:環境と動物に潜む次のパンデミック候補を解説する。現在、報道されているSFTSのほか、ダニ媒介性ウイルスの脅威を解説する
3.産業活動に直結する最新ウイルス研究の潮流
新規ワクチン・治療薬市場、下水ウイルスモニタリング(発生予測)、現場でPCR、ICH-Q5(バイオ医薬品国際ガイドライン)、Codex(食品安全基準)、検疫(豚熱)などの概要を説明する
第2章 ワンヘルスで拓くウイルスリスク対策の実践
― 製薬・食品・異業種での応用事例と技術 ―
1.製薬・食品分野におけるウイルス制御技術の最前線
ウイルス安全性について最新の知見を解説する。生物由来原材料のウイルスリスク、不活化技術、検出技術の高度化(次世代シーケンサー、電顕など)、安全なUV、大気圧プラズマ殺菌なども紹介する
2.ワンヘルス視点での感染予防・検出・モニタリング手法
気候変動(環境)や国際物流(人為)がウイルスの移動を加速化、パンデミックは人獣共通感染症(動物)であることからワンヘルスの視点が重要になる。野生動物の接触ゾーン管理、畜産廃棄物、PPE(個人防護具)など
3.成功事例から学ぶ産業現場でのリスク低減戦略
下水疫学でノロウイルスの集団発生を防げるのか?ワクチンの導入で豚熱はどうなった?ウィンドウレス鶏舎で鳥インフルは?
第3章 攻めのウイルス科学が創る未来市場
― 技術革新と価値創造の新たな可能性 ―
1.ウイルス利用による新素材・新製品開発の可能性
バクテリオファージを利用したListShield(食品中の食中毒菌の処理)、バキュロウイルスを
利用したワクチン大量生産、植物でヒト化抗体を大量生産するZMappなどを解説する。新たなヒトのコロナ治療薬が猫を救うワンメディシンの考え方も紹介する
2.ウイルスの未来市場を創造するための課題
獣医療の課題(電子カルテ、保険制度、疾患統計など)、空気中のウイルスをリアルタイムで検出する技術、実験室の成果が実用化までに時間がかかる死の谷、未知のウイルスはいくつ存在しているのか、などを解説する
3.持続可能な社会と市場を支える私たちのワンヘルス戦略
私たちの研究成果がどのように未来につながるのか(アプタマー、グラフェン、発酵プロテアーゼ、天然の抗ウイルス物質(アップサイクル)、安全な殺菌技術などを解説する。
*事前質問の回答に対する解説や当日の質問に対する解説を行います。講習会時間内に終了しない場合は後日お送ります。
*受講者の皆様からの質問、講義の進行状況によってプログラム
の順番を変更させていただくことがございます。
🔷🔷 講師紹介:水谷 哲也 博士(獣医学)/獣医師
学歴と職歴
1990年 北海道大学獣医学部卒業
1994年 北海道大学獣医学部博士課程修了(予防治療学)
1994年 財団法人がん研究振興財団リサーチレジデント
1995年 国立がんセンター研究所ウイルス部研究員
1997年 北海道大学大学院獣医学研究科
1999年 テキサス大学ガルベストン校
2003年 国立感染症研究所ウイルス第1部 主任研究官
2011年 東京農工大学農学部附属国際家畜感染症防疫研究教育センター副センター長 教授
2012年 東京農工大学農学部附属国際家畜感染症防疫研究教育センターセンター長 教授
2021年~東京農工大学農学部附属感染症未来疫学研究センターセンター長 教授
2020~2021農林水産省獣医事審議会 会長
2023年~日本学術会議連携会員
◆お申し込み先
ビジネスサイエンス&テクノロジー株式会社
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-34-5 いちご東池袋ビル 6階
TEL:03-5050-2995
メール:repedu@bst.co.jp
◆お申込み方法
下記情報をお書き添えいただき、メール:repedu@bst.co.jp までお申し込みください。
お申込み内容を確認の上、折り返し受講票・受講料入金手続き、講習会参加にかかるご案内をお送りします。
○会社・団体・組織名
○所属
○氏名
○氏名(ふりがな)
○連絡先(電話、E-mail)
○住所
○担当・関与される職務についておさしつかえない範囲でお知らせください
○講師への質問についてお知らせください
○特に学びたい項目・プログラムがございましたらお知らせください
○お申込日 2025年 月 日
*開催要項、お申込みに関する事項につきましてはこちらのURL(https://bst.co.jp/%e8%ac%9b%e7%bf%92%e4%bc%9a/)
の下方<各種ご案内・規定>のご確認をお願い致します。
*お申し込みは余裕をもってお申し込みいただけますと幸いです。
◆お問い合わせ先
講習会に関してのご質問等ございましたら、お気軽に下記までお尋ねください。
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ビジネスサイエンス&テクノロジー株式会社(BST)
講習会担当
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